歌舞伎

昨日の歌舞伎レポ。誰も待ってない。
中村勘太郎七之助の錦秋特別公演。
演目は「江島・生島」、「多摩川」「棒しばり」。一つ目と二つ目は歌舞で、ストーリーもつかめずぽかーんと観てた。多摩川はさらしを新体操のリボンよろしく振り振りして舞うもので、そのダイナミックさは子どもが見たらそれだけで大喜びしそうなものだった。「棒しばり」は有名な狂言だけど、生で観たらまた違って新鮮に大笑いした。体の具合もだいぶよくなった。
「棒しばり」は太郎冠者次郎冠者の世界で、舞台様式も「という間に酒蔵じゃ」とかいうセリフも、狂言のストレート移入でよく知らない私には歌舞伎役者が狂言やってるーという感じだった。狂言って歌舞伎を「狂言」と呼ぶことはありますが、野村さんとか和泉さんとかの狂言、ね。
それにしても「棒しばり」って、次郎冠者をだますとき、棒術を見せてみよと言ってだますんだけど、では夜の棒も見せてみよ(聞きまちがい?)、というセリフあたり卑猥。しばられていい姿じゃと喜ぶあたりとか、不自由ななかで舞う舞はまたよい、飲むのもまたよい。とかはなんか、なんかだなぁと思ったりした。そういう隠喩を楽しむものだったりして。
一つ目と二つ目の間に中村兄弟へのインタビューがあった。さっきまで神々しいまでに美しく舞っていた江島(七之助)と、どっちが女形だか分からないくらい艶めかしい色男を演じていた生島(勘太郎)がすっぴんスーツで出てきたので、その代わり映えに会場は息を呑んだ。インタビュアーの「兄弟で恋人役って実際のところどうなんですか」という質問に対し、勘太郎は「慣れました」「感情移入してます。してなきゃ(生島役として)狂えません。愛してますよ」と答えていた。大胆発言。七之助は「歌舞伎役者になってなかったらスポーツ選手になりたかった」と言っていて、ゴルフを1ラウンドしたあと次の予定までの時間潰しにボウリング3ゲームやっちゃうような人らしい。体力有り余り過ぎ!だからあんな一時期ニュースを賑わせたりすr(ry
七之助さんはご挨拶が「ありがとうございまする」みたいなカミカミでかわゆかった。現代語でのご挨拶なんかし慣れないのかもしれない。そいや海老様襲名公演のときの團十郎パパの口上はかこよかったなぁ…(思いだしうっとり)。
お二人とも25、23とお若くてとても瑞々しかった。