和歌山旅行5

昨夜の日記。
米寿を迎えた祖父と(満で)傘寿を迎えた祖母のお祝い。
祖父は「まぁあと5年は行く。10年も行く気がする。」と言い、孫も「その意気やわ」と呟くなか「それでも物足りない気がする。生きているうちにすべきことはまだまだ残っている。」と言っていた。果てしないなぁ。孫の私が「生きる意味なんてなぁ、ねぇよな」とか言ってるのに。聞いてたら何かがふつふつと沸いてくる気がした。果てしないなぁ。
満ち足りた表情でお婿さんたちに「娘たち(母は三姉妹の末っ子)を娶って下さってありがとう」、孫たちに「これからはあんたらが私の先生や」、祖母に「このお婆さんは失敗ばかりするけども、それを解決する手際がすこぶる速い。世界一の妻」とそれぞれに挨拶していた。表一通りでない挨拶に胸がつんとした。
さらにご機嫌になった祖父はお箸を「タクト振ります」と振り出し、みんなで「ふるさと」を3番、「あかとんぼ」を4番まで先導しながら歌う。「3番の歌詞なんて忘れたわ」「お父さん11拍子になってはるけど」と娘たちが囁く中全ての歌詞を歌い切っていることに度肝を抜かれる。なんでもよう覚えてはんねんなぁ。いかにいます父母やて。お郷の便りも絶え果てたやて。
耳も遠くなり足腰も弱くなった祖父の代弁として、祖母は「こんな風に親族で集まれるって羨ましがられんねんよ。子ども夫婦が仲良うしてる証拠やからね。仲悪かったら相手の親どころでないもんね」と説明していた。それもそうだなぁ。お婿さんズはみんな親孝行だけど、みんながそうなわけじゃないだろうからなぁ。
内心長旅にうんざりしながら来たけど、祖父母の言葉を聞いて来た甲斐があったと思う。