誰も知らない

誰も知らない [DVD]

誰も知らない [DVD]

これを勧めてくれた人は江國香織の『神様のボート』を好きとも言ってて、(私の中の)江國香織イメージに通じるものがあるなぁと思った。私は江國香織のストーリーよりも雰囲気に重点がいってる文体が好き。その人もそういうところが好きだったりするのかなぁ、と思ったらちょっと嬉しくなってしまった。てへ。
無駄にはしゃぐ茂がちっちゃい頃の弟に似ててこんなかわいい頃もあったなぁとほのぼの。ゆきちゃんの可愛さはどんな言葉でも表現できない。京子ちゃんも凛としててしっかりお姉ちゃんしてて、でも一方ではお母さんへの複雑な気持ちは誰よりも強くて見てて切ない子。カンヌの柳楽優弥くんはね、て何でここだけ役名(明)じゃないんだという話だけど、かっこよかった。切れ長の目が。でもDVDのジャケットの横顔しか知らなかったのでまだまだ男の子だ、と思った。
ストーリーの重さとかコンセプトとか実際滅茶苦茶な事を言ってしまえばどうでもよくて、映像の一つ一つが詩的できれいだなぁと思った。窓際に立つゆきちゃんのおでこが逆光でアップになってるだけで胸が切なくなる。
ストーリーはどうでもいいとか言ったけど、スーツケースに砂をかけるシーンはどうしたらいいのか分からなくなった。ここもノンフィクションなんだろうか。


作品中に流れてた曲がさっきのコンビニのお姉ちゃんの声じゃんと思ってたら、公式ページ(http://www.kore-eda.com/daremoshiranai/)によるとあのお姉ちゃんは弾き語りする人だったんだ。勘違いじゃなかった!