また昨日の話

今日は書きたいことがいくらでも沸いてくる気がするので適宜折りたたむ。
ランチよりも、その後に行ったカフェのカフェラテよりも、その後の腹痛もどうでもいいくらいショッキングな出会いがあったのよ昨日。


その出会いとは、高校時代の先輩との再会。
昨日会った人との待ち合わせで駅ビル内を通過していたら見覚えのある人がうつむき加減に歩いていた。
あっと思った次の瞬間私は必死で先輩の名前を呼んでいた。
名前を呼ばれた先輩はきょとんとして、「お前誰だ?」という顔をしていた。しばらくして思い出してくれたようで、高校時代のように下の名前呼び捨てで(この先輩にそう呼ばれるのがすごく好きだった)名前を叫んでくれた。
昨日のような暑い日にスーツを着て重い荷物を背負ってげんなりしていた先輩は高校時代のイメージとはかけ離れていたけど、それでも即座に気づけたのはそれだけ私が常日頃先輩の影を探して生活しているせいだろう。
そのくらい憧れの先輩。
先輩をげんなりさせていた恰好は、聞いたら教採を受けてきたかららしい。小学校の先生を受けたんだとか。
先輩は一浪していたので今年教採だったみたい。


私の中のその先輩のイメージは、すらっと長い足に制服のスカートをぎりぎりまで短くはいて、ルーズを完璧なバランス(誰もが横並びな恰好をしている中でこのバランス感覚は超重要)ではきこなし、背筋が伸びていて毅然とし、お茶目でいい加減で、学校内で履くサンダルを「草履」、ジャージのウエストを調節する白いひもを「うどん」と呼ぶ素晴らしい言語感覚の持ち主、というものだ。
今の私のアレなネタボキャブラリーの約1割(これはかなり大きい)は卓球部の女子部室でこの先輩から受けた影響でできている。
性格の豪快さも、筋の通ったセンスのよさも、言葉一つ一つのお洒落さも(あ、あと卓球もか。先輩は卓球が強いなんてもんじゃなかったのでちょっと例外)、全てが憧れで一生かかってもこの先輩に一歩でも近づけたらいい、と思える理想の女性だった。


ただ、私が高二の先輩の引退試合の宿で一年と三年で冷戦が勃発し、そのせいで機嫌の悪かった先輩とほとんど言葉を交わせられないまま引退を見送り、卒業後は音信不通になってしまった。


その先輩と多少ぎこちなくでも一言二言言葉を交わせたのはここ数ヶ月で一番嬉しいできごとだ。


先輩と次に会うのは何年後だろう。


私に女の子ができたら先輩の名前が欲しいな。